地名から紐解く中原区~中丸子~

こんにちは、タンジです^^

今回は、武蔵小杉駅・向河原駅・平間駅の3駅が利用可能な

中丸子

という町の地名についてまとめてみたいと思います!

ふだんなんとなく通り過ぎている町の歴史を調べてみたら、全く知らなかった面白い発見が多々ありました!

ぜひぜひ楽しみながら読んでみてくださいね^^

中丸子って、どのあたりにあるの?

中丸子は、中原区の東南に位置する地域です。
地図を見ると、かぎ型のような特徴的な形をしているのがわかります。

東は多摩川を挟んで大田区の下丸子と向かい合い、南は上平間と北谷町、西は市ノ坪、北は下沼部と新丸子東に隣接しています。

「中丸子」という地名の由来

「中丸子」という名前を読み解くには、まず「丸子」という部分から見ていく必要があります。

「丸子(マルコ)」という地名の由来については、古代の丸子部(マリコベ)の居住にちなむ地名と思われる、という説が有力なようです。

丸子部というのは古代の朝廷に使える部民を指す言葉で、その仕事のひとつが渡し守であったことから、地名としてつけられたと考えられています。

「マリコ」という地名は、静岡・長野・神奈川・千葉・茨城などにも分布していますが、その多くが川の渡河点に存在するというのが特徴なのだとか。
中原区の丸子も、多摩川の渡河点として栄えた地であることを考えると、なるほど、という感じがしますよね!

また、中世には「丸子郷」という大きな郷名として用いられていましたが、「上丸子・中丸子・下丸子」に分かれたのは、戦国時代のころと推定されているようです。
「川崎地名辞典」によると、1589年(天正17年)に多摩川の流路が変わり、下丸子村の中心地に多摩川の本流が流れるようになり、下丸子と中丸子に分かれることになった、との記載があります。
天正17年時点ですでに上丸子村と下丸子村が存在していて、その後下丸子村が下丸子と中丸子の地域に分かれた…という流れだったものと思われます。

現在の「中丸子」という町名ができるまで

江戸時代には、「中丸子村」だったこの地域が、現在の「中原区中丸子」という町名になるまでの流れを年表にすると、次のようになります。

1974年(明治7年) 大区小区制施行。4大区7小区中丸子村となる。地租改正により、新地番・新字名が設定される。 

1978年(明治11年)郡区町村編成法施行(大区小区制が廃止)。橘樹郡中丸子村となる。

1889年(明治22年) 市制町村制施行に伴い、中丸子村は周辺の上平間・下平間・塚越・古川・南河原・戸手・小向の諸村と合併して御幸村が誕生し、その大字となる。

1924年(大正13年) 御幸村は川崎町・大師町と合併して市制施行、川崎市が誕生。川崎市中丸子となる。

1972年(昭和47年) 川崎市が区制施行。中原区が誕生し、中原区中丸子となる。

お気づきの方もいるかもしれませんが、これまでに取り上げてきた苅宿や市ノ坪は、市制町村制施行の際に「住吉村」として合併しているのに対し、中丸子は「御幸村」として合併しています。
このとき同じく御幸村になった下平間・塚越・古川・南河原・戸手・小向は、現在は川崎市幸区に属していますが、中丸子と上平間が中原区に属することになった理由が気になりました。

(ちなみに市制町村制施行の際、同じ「丸子」がつく上丸子は、「中原村」に含まれていたのですが、その違いも気になっています!)

武蔵中丸子駅のこと

中丸子といえば、かつて武蔵中丸子駅という南武線の駅があったことをご存じでしょうか?

1927年(昭和2年)春に南武鉄道(現・JR南武線)が開通し、同年8月12日に武蔵中丸子駅が開業。
しかし1945年(昭和20年)4月15日の空襲で駅舎が焼け、そのまま廃止へと至ったのだそう。

その後、宅地化が進み人口が増えるにつれ、「中丸子に駅を返して!」という声が高まり、住民による駅復活運動が起こりました。
復活期成同盟が結成され、9千人から1万人もの署名を集め、市議会への請願書提出など精力的に活動したのだとか。

しかし結果として駅が復活することはなく、駅のかわりに道路が整備された、という歴史があるそうです。

武蔵中丸子駅については、武蔵小杉ブログさんが詳しく記事を書かれていますので、もっと知りたい方はそちらもぜひ読んでみてください!

まとめ

というわけで今回は、「中丸子」という地名の由来や歴史についてまとめてみました!

多摩川の流れの影響を受けていたり、市制町村制施行や区制施行の際の所属、武蔵中丸子駅の存在などなど
調べる中で、たくさんの興味深い出来事や存在が見つかり、非常におもしろかったです^^

・御幸村に所属していた他の地域と離れて、なぜ中原区に含まれることになったのか?
・「上」丸子、「中」丸子、「下」丸子の上中下の意味とは?

など、深掘りしてみたい疑問も生まれたので、引き続き調べてみたいと思います♪

【参考文献・URL等】

  • 「川崎地名辞典 上」、日本地名研究所編、川崎市、2004
  • 「川崎の町名 改訂版」、日本地名研究所著、川崎市出版、2024
  • 「南武線物語」、五味洋治著、多摩川出版社、1992
  • 「写真で綴る中原街道と周辺の今昔ー多摩川から南武線までー」羽田猛著・出版、2009
  • 武蔵小杉ブログ(武蔵小杉ライフ公式ブログ)「戦火に消えた、南武線の駅。玉川中学校・橘高校前の「武蔵中丸子駅」跡地探訪」
    https://musashikosugi.blog.shinobi.jp/Entry/3288/
    (2026年8月17日参照)

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