運命の物件に出会うには？～店主福地と福街不動産の出会い～

初めてここに来たのは、2015年の夏頃だったかと思います。当時、ここではもとえ珈琲さん(現・Mui)が営業していて、そこにお客さんとして訪れたんです。

実はその逆なんです。あの頃、開業するために東横線沿いの物件をいろいろと探していたので、もうすぐこの店舗を借りられるようになることは知っていました。
でも、私が想定していた条件とは少し異なる物件だったので、当初は別の物件を借りようとしていたんです。

当初は元住吉にこだわりがあったわけではなく、東横線沿いでいい物件があれば…と考えていました。一人でやるので、そこまで広い店舗である必要はないから、駅から近くて、賃料も抑えられる物件で…と思っていたんです。

予算オーバーでもあったので、最初は選択肢にもあげていなかったですしね。

ここに来る直前、「希望条件に叶う物件を見つけたのに、迷っている間に埋まってしまった」ということがあり、物件探しが振り出しに戻ってしまったんですよね。

その時改めてこの店舗の広告を見て、「地元にある物件だし、とりあえず見るだけ見てみようかな」という軽い気持ちで、当時のもとえ珈琲さん(現：Mui)に足を運びました。

実際に来てみたら、内装がすごく好みだったし、角地の路面店で環境もとてもいい。
店舗の中で過ごすうちに、「このスペースでイベントをやったらおもしろいかな」とか、「カフェのようにゆったりした雰囲気の不動産屋として営業していこうかな」というアイデアがたくさん浮かんできて、ここにしよう！と決めたんです。

はい、本当の話です(笑)。ここに来たことがある方ならご存じだと思うのですが、思わぬところにトイレがあるのがおもしろくて、これは借りるしかないな…！と思ったんです。

真っ先に思うのは、この店舗だったからここまで続けてこられたんじゃないかな、ということです。もともと考えていた物件で始めていたら、2年くらいでお店を畳んでいたかもしれません。

当初は、インターネット広告メインでの営業にしようと考えていたのですが、今考えると選んでもらえにくい営業形態を選ぼうとしていたな、と。
インターネットに掲載されている物件の数はとにかく多いので、余程目立つか希少性の高い物件でないと、お客様の目にとまらない。
この店舗を選んだことで、「イベントをする」「ゆったり接客する」という、今の福街不動産の営業スタイルを思いつくことができましたし、お客さんの顔を見ながら接客するという自分の理想を叶えることもできたので、本当に良かったなと。

そうなんです。実は当時予算が厳しくて内装を変更できなかったんですが、逆にそのおかげで理想が叶ったのだと思います。
あとは、福街の営業の話からはそれますが、この店舗に訪れたことで新しい世界が広がったことも、とてもありがたく感じています。
もとえ珈琲さん(現：Mui)に出会えたことで、苦手だったコーヒーが大好きになり、おいしいものにもたくさん出会い、人間関係の面でも新しい出会いがたくさんあったんです。

ひとつは、「こうだ！」と条件を固めすぎないこと。もちろん、希望条件を決めるのはとても大切なんですが、それに当てはまらない選択肢が自分の理想を叶えてくれる可能性がある、ということは覚えておいていただきたいですね。絞りすぎず、いろいろな街のいろいろな物件を見ることが、いい出会いにつながるのではないかと思います。

もうひとつは、既にある出会いを運命の出会いにする、ということです。

物件に限らず、人でもそういうことがあると思うんですが、運命の存在って、既にであっている可能性が高いと思うんです。でも、なんとなく気になりつつも、行動には移していない。そこを一歩進めてみて、ピンときたら関係を築く。そして、その物件そのもの、物件がある街を楽しみ、大切にすることで、その出会いが正解になるんじゃないかと思います。

私も改めて振り返りができてよかったです。ありがとうございました。