みなさんこんにちは、タンジです^^
広報部長(以下、部長)が福地さんにインタビューを行い、不動産に関する疑問を紐解くシリーズ、「店主福地に聞く!不動産知識あれこれ」。
第5回でとりあげるテーマは、「分譲賃貸」です。
分譲賃貸の需要と供給、貸す側と借りる側それぞれのメリット・デメリット等について、広報部長が店主福地に質問してみました。
目次
分譲賃貸の物件数は少ない?
今日は分譲賃貸について伺っていきたいと思います。
「分譲賃貸に住み続けたい」という知人から「なかなか物件が見つからない」という話を聞いたことがあります。
分譲賃貸として貸し出される物件の数は少ないのでしょうか?
確かに、少ない印象があります。
分譲賃貸の物件は、もともと自宅として購入され、所有者が何らかの理由でそこを離れることになり、賃貸として貸し出されるというケースが多いんですね。
しかし、その状況になった時、「貸す」という選択肢を選ぶ人は少ないんです。
ほとんどの方が売却されるということでしょうか?
住み替えなど、その部屋に戻ることがないと決まっている場合には、売却される方が多いです。転勤などで一時的に離れる場合だと、自分が戻ってくるまでそのまま空室にしておくことも多いようですね。
売却を選ぶ方が多いのはなぜなんでしょう?
住み替えの場合、資金の都合で売却せざるを得ないことがほとんどです。
住宅ローンを組んで購入していると、二重ローンになってしまう可能性もありますしね。
資金面で都合がつく方でも、賃貸に出す場合の手間や費用を考えて売却を選ぶ方が多いです。もともと住んでいたところを貸すとなると、リフォームが必要だったり、管理業務が発生したりと、なにかと大変なので…。
そういったことも含めて、「手放さずに貸した方が得になる」と判断された物件だけが賃貸市場に出回るということですね。
貸し出した場合のメリットはどんなものがありますか?
戻ってくる前提がある方だと、状態の劣化を防げるというものがあるかと思います。密閉性の高いマンションでは、定期的に空気が入れ替わらないとカビが生えてしまう危険性がありますから。
不動産賃貸を事業としてやっていきたい方なら、比較的大きな家賃収入を得られるというメリットがあります。事業としてやるなら、リフォーム費用も経費にできますしね。
借り手が分譲賃貸を選ぶ理由
分譲賃貸を借りたいという方は多いですか?
そうですね、元住吉・武蔵小杉周辺は特に多いように感じます。
分譲賃貸以外の選択肢としては、「通常の賃貸物件を借りる」「購入する」というものがあるかと思います。それぞれと比較して分譲賃貸を選ぶ理由にはどんなものがあるのでしょうか?
賃貸を前提に考えている方だと、広さや間取りが理由になることが多いです。
通常の賃貸物件の場合、広さ50平米・間取りが1LDKや2LDKという物件が主流です。
一方、分譲を前提に作られている物件では70平米で3LDKというつくりが主流になるので、部屋数や広さが欲しい方だと、むしろ分譲賃貸からしか選べないことも多いです。
また、分譲賃貸は一般の賃貸物件より設備が優れていることがほとんどなので、それを魅力に感じて選ぶ方もいらっしゃいます。
購入と比較した場合ではどうですか?
購入するより借りる方が費用負担が少ないかたが、分譲賃貸を選んでいる印象です。
家賃補助を受けられる、事業をしていて家賃の一部を経費にできる方だと、借りる方が安く済むこともあるので。
元住吉周辺の分譲賃貸事情
元住吉周辺では分譲賃貸物件は出てきますか?
出ることは出るんですが、ほとんどが2年ないし3年の定期借家契約物件ですね。
転勤で一時的に離れる方がその期間だけ賃貸に出すか、売却も視野に入れ、期間を定めて貸し出す、というケースが多いようです。
少し話がそれますが、直近のマンションストーリーズで取り上げたGATE SQUARE小杉陣屋町は、同じ敷地内に分譲棟と賃貸棟がありましたね。
元住吉周辺で、分譲並みのグレードで一棟丸ごと賃貸物件、というマンションは他にもありますか?
実は、こういうパターンは非常に珍しいんです。当初、リエトコート武蔵小杉は丸々一棟賃貸用でしたが、今は分譲に変わっています。
なるほど、あまり多いケースではないんですね。
そうなるとやはり、「分譲並みのグレードの賃貸住宅に住み続けたい」となると、物件を探すのはなかなか大変そうですね。
分譲賃貸 vs. 購入 どっちがいいの?
よく聞かれる話だと思うのですが、分譲賃貸に住むか購入するのか、結局どっちのほうがお得なんでしょうか?
雑誌でも頻繁に特集が組まれるテーマですね(笑)。
非常に多くの要素が複雑に絡み合って決まる話なので、一概に「こっち!」とは言えないのが本音です。住宅購入の優遇政策によっても、どちらが得になるかは変わりますしね。
最近の話でいえば、テレワークで部屋数が必要になって自宅の購入を考える方が増えたため、購入価格が上昇傾向にあります。これも、新型コロナウイルスの感染が治まったら、また変わってくるかもしれません。
エリアによって動向は変わってくるので、様々な細かい要素を見て判断する必要があるかと思います。
ちなみに、現在の元住吉周辺はどういった状況ですか?
このあたりでも購入を希望される方が増えているので、価格は上がっている印象があります。もし元住吉で分譲賃貸と分譲マンションの購入を比較するとしたら、ローンその他の固定費も含めて考えると、だいたい同じくらいの金銭的負担になるのではないかと思われます。
世の中の状況が購入費用に大きく関わってくるんですね!とても興味深いです。
ありがとうございました!
まとめ
・自宅だった物件を離れる場合に、「貸す」と「売る」の2つの手段を検討すると、所有者にとっては売る方のメリットが大きくなるケースが多い。一時的に離れる場合でも、管理や手続きなどの負担を考慮して、空室のままにしておく人が多い。こういった理由もあり、市場に出回る分譲賃貸物件の数はあまり多くはならない。
・元住吉・武蔵小杉周辺で探すと、分譲賃貸物件は見つかる。しかし、一時的に離れる・売却を視野に入れて貸し出しているなどの理由により、定期借家契約になっているところが多い。
・分譲賃貸と購入のどちらが金銭的に得なのかは、細かい条件を考慮しないと何とも言えない。購入にかかる費用は、その時の情勢や流行の影響を受けて変動する。